シェンゲン圏とビザについて
ヨーロッパにあるEUとシェンゲン圏(シェンゲン領域)。EU加盟国であってもシェンゲン圏には入っていなかったり、その逆もあります。なかなかややこしいこの制度、まとめてみました。
そもそもEUとシェンゲン領域とは
EU
Europian Union、欧州連合の略。ヨーロッパの地域統合体で、人権の尊重等の価値観や平和、福祉の推進を目標とする。EUに加盟している国は基本的にシェンゲン協定を受け入れる必要がある。
(https://en.wikipedia.org/wiki/European_integrationより)
濃い青色の部分がEU加盟国。
シェンゲン圏 (Schengen Area)
シェンゲン協定を受け入れている国々のことを指し、シェンゲン圏内では国境の審査が行われない。
(https://en.wikipedia.org/wiki/Schengen_Areaより)
青がシェンゲン協定国。黄色はEU加盟国でシェンゲン協定に加盟することが求められている国。
アイスランド・ノルウェー・スイスはEU非加盟国であるが、シェンゲン協定加盟国。
イギリス・アイルランドはEU加盟国であるが、シェンゲン協定非加盟国。
簡単に言えば、青くないところに行くには国境検査が必要だということ。
二か国間協定
EU加盟国であるが、シェンゲン協定非加盟国であるイギリスとアイルランド、この間で結ばれている協定で、この二か国間で国境審査が廃止されている。
ただ、イギリスがEU脱退に舵を切ったことによりこの協定がどうなるかはわからなくなりました。
Brexit: McGuinness 'cannot see how Common Travel Area can survive' - BBC News
ビザは必要なのか
ここが一番大事な部分かと思います。シェンゲン圏に行く場合、日本国籍であれば旅行程度ではわざわざビザを取る必要はありません。
ただし、
有効期間がシェンゲン領域国からの出国予定日から3か月以上残っており,かつ,10年以内に発効されたパスポートを所持している必要
(欧州諸国を訪問する方へ | 外務省より)
があり、
あらゆる180日の期間内で最大90日間
(欧州諸国を訪問する方へ | 外務省)
まで滞在することができます。
イギリス・アイルランドの場合も似ていて、最大6か月まで滞在可能、ただし、
90日を超えて滞在する場合には,在留期間満了前に法務省(地方入国管理局)において在留期間更新手続きを行う必要があります。
(ビザ免除国・地域(短期滞在) | 外務省)
とのことです。
どこの国に行く際にビザが必要なのか
それでは問題となるのは、どこの国に行くときにビザが必要となるのかということ。ヨーロッパでビザが必要となる国は
の三つとなります。(アゼルバイジャンなども必要なのですが、どちらかというと中東のイメージなので今回は除きます)
このうち、アルメニアは空港でも取得が可能なので特に問題はなし。E-visaもこちらより申請できます。ロシアとベラルーシは事前に申請して取得する必要があります。
まとめ
シェンゲン圏やビザの必要不必要等いろいろありますが、基本的にロシア・ベラルーシ・アルメニアに行く時以外は気にしなくても大丈夫ということです。留学先でResidence Permitを取得しても、国外では正式な身分証として認めてもらえない場合もあるので、旅行時にはパスポートを携帯しましょう。
シェンゲン圏内では電車等陸路でパスポートをチェックをされることはまずなく国境を越えられますが、移民問題からか抜き打ちでチェックされることがあるので注意。基本的に飛行機を利用する場合にはパスポートをチェックされます。ただ、Transavia、スカンジナビア航空などはチェックが甘いように思います。
参考
Schengen Area - Wikipedia, the free encyclopedia
European Union - Wikipedia, the free encyclopedia
Common Travel Area - Wikipedia, the free encyclopedia
http://www.rusconsul.jp/hp/jp/visa/visa.html